第121回日本消化器病学会九州支部例会・第115回日本消化器内視鏡学会九州支部例会

会長挨拶

第53回日本消化器がん検診学会九州地方会
会長 金城 徹

(琉球大学病院 光学医療診療部)

この度、諸先輩方が築き上げた歴史ある日本消化器がん検診学会九州地方会におきまして、若輩ながら第53回会長を拝命いたしました琉球大学病院の金城徹と申します。

小生は2002年に琉球大学医学部を卒業後、同大学の第一内科(感染症・呼吸器・消化器内科学講座)に入局し、当時の金城福則准教授(現:浦添総合病院)の意向もあり、1年目から大学病院の診療と並行して、外勤先では検診業務に携わる機会を頂きました。

当科では金城福則先生が1980年代より精力的に離島の胃内視鏡検診に取り組み、1997年にはまだ大腸がん検診が導入されていなかった石垣市において、第1回目の大腸がん検診を行い、要精検者が184名(9.1%)、うち出張大腸がん精検(Total colonoscopy)を受診したものは167名(精検受診率97.8%、13名は他の医療機関で精査受診)と非常に高い精検受診率が示され、啓発活動の重要性を認識させられました。それ以降も当科では同門の金城渚先生(琉生病院)のアドバイスをいただきながら沖縄県の消化器がん検診事業に関わらせていただいております。

小生は2007年に国立がん研究センター中央病院 消化器内視鏡部 レジデントとして3年間過ごす機会を頂き、多くの先生方に内視鏡診断と治療、病理診断、カプセル内視鏡、人間ドックなど幅広くご指導いただきました。今回、そちらで大変お世話になりました吉永繁高先生(東京都立がん検診センター)より「胃がん」について、依然として罹患率、死亡率がともに高い「大腸がん」に関しては国立がん研究センター中央病院検診センターの関口正宇先生にご講演を賜る予定です。加えて「膵がん」においては、罹患率に対する死亡率が高く、早期発見による治療介入の重要性がとなえられており、今回、JA尾道総合病院の花田敬士先生にご講演を賜る予定です。

今後、さらなる高齢化社会に伴い、日本を支えている社会生産力がある65歳未満の人たちが「がん」によって社会から離れることが無いよう、早期発見、早期治療につながるがん検診の啓発がさらに重要になるものと思われましたので、「高齢化社会における消化器がん検診のあり方」という学会テーマといたしました。是非、皆様と活発な議論ができましたら幸いに存じます。

最後に9月の沖縄は台風の時期で、まだまだ暑い日が続いております。是非、かりゆしウェアなどのクールビズで、気軽に多くの皆様のご参加を心よりお待ち申しあげます。

先頭に戻る